木下グループpresents No.9 -不滅の旋律-

お祝い花ご辞退のお知らせ

「No.9」公演におきましては多くの贈呈花が予想されるため、ロビー混雑緩和と安全上の都合により、東京、大阪、横浜、久留米全公演でスタンド花、アレンジ 花、鉢花( 楽屋花を含む)、デコレーションオブジェ等を全てお断りさせていただくことに致しました。
ご理解とご協力をお願い申し上げます。

公演実施に関する
重要なお知らせ

Introduction イントロダクション

たとえ耳が聞こえなくなっても、私の頭の中には音楽が鳴り響いている。。。作曲家として、人間として、劇的な人生を送ったベートーヴェン。最後の交響曲『第九番』まで、彼はどんな時間を生きたのか。

鳴らせ 私の頭の中の完璧な音楽

鳴らせ 私の頭の中の完璧な音楽

ドイツの音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。ピアノソナタ「悲愴」「月光」や交響曲第五番「運命」、第六番「田園」など、国や時代を超えて人々を魅了する楽曲群は、後世の音楽家たちにも多大な影響を与えてきました。そんな“楽聖”ベートーヴェンが、傑作をいくつも書き上げた19世紀初頭のウィーンを舞台に、彼の苦悩の人生と創作の輝きを核に生まれた舞台が『No.9-不滅の旋律-』です。2015年初演、18年の再演に続き、ベートーヴェン生誕250周年の今年、再々演が決定いたしました!

「No.9」とは、ベートーヴェンが作曲した9番目にして生涯最後の交響曲第九番ニ短調 合唱付きのこと。この合唱=「歓喜の歌」がクライマックスで歌い上げられる今作は、全公演スタンディングオベーションとなり、演劇と音楽を越境した感動を呼び起こす傑作として初演時から高い評価を得ています。

初演からベートーヴェンを演じ、回を重ねるたび新たな生命を吹き込む熱演を見せるのは稲垣吾郎。度重なる人生の困難に翻弄されつつも、自身の身も心も引き裂くような激情でそれらを乗り越える天才の圧倒的な存在感と、人としての繊細な感情の機微を、楽聖が憑依したような迫真の演技で体現し、俳優として新たな地平を拓きました。ベートーヴェンを秘書として支えるマリア役は再演で高い評価を得た剛力彩芽が続投。他にも片桐仁、村川絵梨、岡田義徳、深水元基、橋本淳、奥貫薫、羽場裕一、長谷川初範ら実力派俳優が引き続き盤石のドラマを築く上に、『刀剣乱舞』などの人気公演で注目を集める前山剛久が新たに座組に加わります。また、幼少期のベートーヴェンを演じるのは、TBSドラマ『テセウスの船』で天才子役と謳われた柴崎楓雅です。

『No.9』の支柱を成すのは演出の白井晃、脚本の中島かずき(劇団☆新感線座付作家)、音楽監督の三宅純を中心とするクリエイティブ・チーム。史実や実在の人物を基に大胆な発想の飛躍を加え、一度聴けば脳裏に焼きつく心地よい台詞で劇世界を織り上げる中島は、天才音楽家の内なる懊悩をリアルなドラマとして紡ぎ出します。音楽にも造詣の深い白井は、舞台上に俳優とともにピアニストを配し、舞台の進行と共に生で演奏されるベートーヴェンの楽曲が、登場人物たち同様に場面ごとに機能する演出プランを立案。それら生演奏と、ベートーヴェンの楽曲に対する深い理解のもと、作品世界を貫く「音」を生み出したのは、パリを拠点に世界各国のアーティストと数多のコラボレーションを行っている三宅のマジカルな感性です。

新たな幕開けは2020年12月。魂を揺さぶる旋律が再び劇場を満たします! 世界中の人々が同じ苦しみにさいなまれている今こそ、舞台『No.9』が奏でる物語は、生きる喜びを取り戻す契機となるはず。本作品の上演が皆様に「生命の讃歌」をお届けすることを信じ、さらなる創作の深化をめざします。

MESSAGE

「No.9―不滅の旋律―」 2020
三度目の上演にあたって

稲垣吾郎

2020 年はベートーヴェン生誕 250 周年。その記念すべき年に、舞台『No.9―不滅の旋律―』を上演し、回を重ねてルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという天才音楽家を演じられることを、非常に嬉しく思います。

2015 年の初演時は、これまで演じたどの役とも違う圧倒的な存在感や強烈な個性に戸惑い、悩ましい時間を過ごしました。けれど演出の白井晃さんをはじめ、共演の皆さんがしっかりと支えて下さる中、徐々にベートーヴェンと僕との距離は縮まっていったのです。結果、自分なりのベートーヴェン像が、回を追うごとに確かなものになっていったように思います。

俳優の仕事には、その時の自分が役に影響を及ぼすドキュメンタリー的な部分がある。自分の「今」をオリジナル作品で、しかも偉大な音楽家に託して表現する機会もくださった制作の方々には感謝しかありません。

実は今回、ベートーヴェンが活躍したオーストリアの首都ウィーンでの公演も予定していました。場所はベートーヴェン没後に建てられた、当時の栄華を残す「フォルクス劇場」です。けれど、その素晴らしい企画は世界を覆う新型ウイルスの脅威により、断念することになりました。加えて国内での創作・上演も、これまで以上に注意を払い、万全の感染予防対策を行ったうえで進めねばなりません。

でも、この厳しい状況下だからこそ僕は『No.9』を、一人でも多くの方に届けたいと思うのです。劇中終盤の交響曲第九番、その中で力強く歌い上げられる「歓喜の歌」は作品の白眉であり、世界の平和と幸福を願い、自身の孤独をも昇華しようという作曲家の大いなる祈りが込められています。まさに現状に苦しむ人々に、届けるべき調べと言葉がそこにあるのです。

だからこそ迷いなく創作を深め、僕が愛してやまない人間ベートーヴェンを再び舞台で生きることは大きな使命。その先には、再びの「夢」に手が届く日も来るはずです。さらなる未来へと続くこの上演を、多くの方に見届けていただきたいと思います。

生きることへの讃歌

演出 白井晃

この歓喜のドラマは、生きることへの讃歌です。苦しみの中からひと摑みの喜びを見出す物語です。

今、演劇は大変厳しい状況に直面しています。再再演の機会に恵まれ、11月にはベートーヴェンの活動拠点だったウィーンでの公演が決まっていました。日本で生まれたベートーヴェンの物語を本場で披露することを楽しみにしてきましたが、残念ながらこのチャンスは未来に持ち越されることになりました。

私たちの心は、今、見えない恐怖の前に萎縮してしまっています。しかし、本来、私たちの営みは、生きる意味を見出し、それぞれの喜びを得るためにあるはずです。ですから、私たちは立ち停まることなく前に向けて進む道を選びました。

この公演を実現することで皆さんと、この物語を共有するという喜びを、改めて分かち合いたいと思っています。